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華があるとかないとか

あれからマタイ受難曲で初オケを経験したり、30年ぶりに声楽の発表会でソロで歌ったり、新たに入れてもらったチェロアンサンブルで発表があったり、めくるめーく幸せな音楽体験を繰り広げてきたのだけれど。

11月のアンサンブル発表会、成り行きでチェロデュオにも出ます。
相手の方は女性でチェロ歴12~3年、私より5,6年先輩です。ソロではサンサーンスのソナタなんて弾いちゃう人です。
仮に名前をANAさんとします。

曲はテレマンのカノンソナタ。弾くメロディは同じです。1小節遅れて2番がでます。
曲が意に染まなかったのか、「全然練習していない」ことを顔を合わせるたびに嬉々として訴えられること4度。確かにあまり弾けてないようですがキャリアで無難にまとめてます(先生談)むしろ練習してきてる私の方が余裕がなく聞こえるそうです(先生談)

その合わせる前の個人レッスンの最初の段階で先生がつぶやきました。
「アナさんとだとハルさんが負けるわね」
???どういう意味だろ、と思っているうちに初回の合わせの日が来ました。仮に私が1番となってます。
そこで1楽章を弾いたあとに先生が言いました。「アナさんは音に華があるからハルさんが食われる」
「ハルさんのほうがソリスティックで弾けてる。1番はハルさん」・・・・なぜ食われながら1番?・・・なのでムリ言って1,3楽章で1,2番を交替してもらうことにしました。
よくわからないまま帰る。なんだか涙が出てきた。日が過ぎる。
試しに弦を変えて楽器を調整にだして弓の毛替えもしてみた。
モチベーションはダダさがり。訳も分からないし。
アナさんの方が上手とかそういう話なら全く構わない。でも。
華ってなに?
持って生まれた才能?お高い楽器で補えるもの?
ワタシのほうが誠実に練習してきて、曲の分析もしてきて、この時点で音程もリズムもマシに弾けてるのにそれでも負けるもの?それならどうしようもないじゃない。
しょんぼりしてるので一層音も楽器もしょんぼりしてくるのよ。
同門の別の先輩とランチの時に曲の分析の話をしていて思ったのだけれど、私は細々と音楽経験は長いけど、その人ほど突き詰めて理論的に考えたことはない。
ワタシは音楽で何をやりたいのか。思い至ったのは、「音で人の心に届きたい」ということ。ああ、それで音の華のなさがこんなにショックなんだ。
それでなくてもデュオで出演して「右の人って音に華がないわねえ」なんて思われたら、もうその場でやめちまいたい。

別の色んな方達に相談したけどもうよくわかんないので先生本人に聞いた。
・ソリスティックといったのはアンサンブルができていないという意味ではなくほめている。
・最初の段階で言ったことだ。(今は違うのか?)
・アナさんは発音がよく、意志がハッキリしている。だから食われる。(発音が良くなるレッスンをおねがいしました)
・ハルさんのほうが楽しそうに弾いている印象がある。(それでも食われるんですよね?)
・ハルさんは伸びしろがまだまだある。(今回の解決になってないぞ)
・楽器は調整のせいかわからないがもっと音がでるはず。こもっているというのはわかる気がする。(楽器のせいではないと)
・それぞれ華は違う。(世界に一つだけの花?そういう話じゃないです)
・今回の発表に関していえばこのままでいい。(私が楽しそうに弾いているからということらしい)

華って練習でどうにかなるものなのか、今一つわからなかった。(ふつうどうにもならないよな)
しょんぼり感は解決しなかった。モチベーションを保つ自信がない。練習にも集中できない。
(「練習してない」攻撃に対抗して私も練習しなかったらホントに弾けない)

華がないっていう印象を聞き手に抱かれながら演奏していくことは、傲慢なようだけど私にはできない。


※参考(ちょっと言い訳?)
ワタシの楽器~2年前のクレモナ新作
アナさんの楽器~15年位前のミラノの作家の作品



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自分の中でまとまらない・・・→追記

七夕に、エクレスのソナタの1,2楽章を弾かせてもらいました。
講評でSさんから「おほめの言葉」を頂きました。
音楽を演奏する身にとって、これ以上はないのではないかというくらいの。
ありがたいことです。ちょっと、というか結構びっくりしました。いやよく考えれば、評価は「演奏」ではなく「楽曲に対する姿勢」に対してなのですが。それでも。
聞いて下さった方たちからもずいぶん暖かい拍手と有難い感想をいただいて、「それホントにアタシに対するものなのか?」ってくらい嬉しいことでした。
もちろん、参加の35名の中では一番経験も年数も技術もなにもかも、もっともレイトスターターの部類。レベルどころか次元の違う奏者の皆様すらたくさんいる場です。弾く前から、何を弾いても暖かく見守ってもらえることはわかっていたし、「思ったより(意外に)頑張ったね」という意味合いがなにより大きいとは思うけど、嬉しくて、1,2日は調子に乗って舞い上がりました。

でもですよ、ちょっとよくわからない。
かなり不本意な出来だったんです。だから自分の中で消化できない。
まず、
・家で練習していて10数回のうちたまたま良く弾けたくらい弾けたらな、というのはそもそも無理だからいいとして、
・ピアノ合わせは当日の2分数十秒、だけれどもピアニストさんがすごい人でなんの違和感もナシ、なので問題なし。
・ピアノ譜が思ったものと違った、のがわかったのが本番の演奏時。でも「これだと可愛い感じになるなあ」と楽しめたので、むしろプラスなのでそれもいいとして。
不本意なのは、
・その日一回も通してなくて、なんか音が汚い。なんか重さがきちんと乗ってないけど復帰できない。(それが実力よね)
・音程がヘン。しかもさぐってる。もっとパッシリ決まるときはきまるのに。(できないってのはそれが実力よね)
・fとpをはっきりつけるの忘れたまま通り過ぎたよ。しょうがないねアタマ真っ白だし。(それが実力よね)
・でも弓の量とか小節のアタマとか音符の長さとか緩むとことか、ここの音の変わり目きれいだと思ってる、など楽しめるところはアタマ真っ白なりに楽しんだかも。(それは良かったねえ。でも録画みたらできてないよ)
・いわゆる本番効果(ゾーンに入る?)みたいなのはなかったよ。(あると楽しいよね)
なので、「こんなものです~。がんばりましたあ」(アンサンブルに呼んでくれなくなると困るな)みたいな自己評価。


さて、翌日すぐにI石さんが録画を下さいました。
今までの人生、自分の弾いている姿を見たことがなかったのですが、「何か良かったのか???」と思ってみてみると
上記の自分の感想のままであり、常日頃先生が口を酸っぱくして仰るあんなこととかこんなことが、目の前にクリアに現れたのでした。
こんな風に自覚できるなんてほんとにありがたい。
問題点の指摘は頂けなかったので、技術的な面としてこれが大きな収穫に。(問題点を指摘してもらえるのは上級者)
反省会の席ではSさんからも、また追い打ちをかけてほめられてしまったので、もう何がなんだか。
と、まとまらない思いがまるでまとまらないうちにその後、他の本番が2つあったのでまとまらず。

昨日、飲み会終盤であまり覚えてないのだが、なんだか話題に出て、Iさんに半分叱られたような気がしないでもないので、いやそうじゃなくてこんな感じなんです(当日はありがとうございました)、と自分のためにまとめておく。というかやっぱりまとまらないけど。

1つ言えるのは、どんな出来になろうとも、人前で弾くというのはすごいことだと思った。
それまでの準備の苦しさ。ここまでかと思うその先への意思が持てること。
じたばたと探究せざるを得なくなること。
地元の発表会などは慣れてきたけれど、今回の35人のチェリストの前で弾く畏れ。逃げたい。逃げちゃだめだ。
(失うものはなにもない)
本番でのピアノとの、目の前の人たちとの、いろんなやりとり。集中できるかできないか。
終わった解放感。
録画での自分の情けなさ。そこからの気づき。
本当にありがたい経験をさせてもらいました。

こんな私に「そろそろソロ」と言って下さって尻込みするところを背中をぽん、と押してくださった
Hさん、ありがとうございます。
お世話下さった方、聞いて下さったかた、ほんとうに得難い経験をありがとうございました。

(追記)
文章に書くと考えがまとまるもので、考えてみればまとまっている。
項目の数個目にポジティブなものがあって、それが良かったのかも?実感は伴わないけど。
あと。録画は大きなモニターで見ないと悲惨な音が一層悲惨で泣きました。(*´Д`)






型にはまりたい~チェロレッスン#

レッスン時間前、早くに着いたので部屋で練習。
音階から始まりメトロノームかけて曲を。
突然先生が入ってらして「全然あってない!ずれてるのに気付かないのは問題!」
波乱含みのレッスン開始。
一小節ずつ止められ止められ。
弓の速度も配分も拍子も音価も、左手の指の上げ下げの意識も、
曲をどうもっていくかもゼンゼン考えてないのが自分で情けない。
とある大好きな2小節を張り切って弾いたら、・・・音もなく爆笑された。
笑われちゃったよ。
「聞いてるともうそれでいいかな、って思っちゃうけど」
と、そういう音楽ではないということ、基本ができて敢えてそう弾きたいならそれはそれで構わないことを
切々と教わった。
良かった。「それでいい」で終わらなくて。
せっかくクラシックを習っているのだから、正しい型にはまりたい。


本番って不思議

チェロカルテットでの本番。
考えてみれば4回目。ダブルカルテットや、それ以上の大人数ではもっとありましたが。
大事なパーツは全然満足行くように弾けず、むしろ痛恨でした。でも。

本番での感覚。
流れの受け渡し、意志の感じ合い、失敗のフォロー、音が寄り添う…。
言葉にしきれないやりとりがダイナミックに感じられて、今までわからなかった部分がわかって、ああ、こうなんだなあ、という細部が絶対的感覚で迫ってきました。なんかちょっと大げさだけど。
音は外しまくるし、落ちた人もいたし、それにもかかわらず、です。
聞いてくれたひとの反響は、良かったです。
うるうるしてくれた人もいました。
興奮気味に感想を語ってくれた人もいました。
ずしんとくるものがあったそうです。
3番パートは先生で、その演奏がすごかったので(たまにすごくすごい人なんです)、その影響は大きいと思います。
ほかの私たちは、「力入りすぎ」との評もあったのですが。
でもでも、音楽っていいな、と思いました。
ああ。しあわせ。

J.Sバッハ シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ2番)
チェロカルテットのための編曲(Varga)の抜粋版でした。
曲も良かったのよねえ。

タンクトップ

暑いといってもタンクトップで練習したのは初めてなのだが、
おかげで構え方や腕などの使い方の問題点がよく見えた。
今まで指摘されてきたことを身に沁みて実感。
鏡をみながら修正してみる。するとどうでしょう!
びっくりするくらい音が変わった。
やったあ♪と思って
休憩してアイスを食べて戻ってきたら、もうしっくり行かなくなってしまった。
おーい。
プロフィール

HAL

Author:HAL
40代も後半になってからチェロを習い始めました。
7年が経ちました。7年ですって、あらまあ。
構えから見直してます。

(上の画像の天使には、毒を吐かないよう見張ってもらってます)

合唱はもっと昔から歌っています。
合唱なのよ。ソロ経験なんてほとんどないのよ。

先ごろ初めてチェンバロを弾いた。やったあ♪

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